染矢先生に執着して以降、図書館に通い詰める日々が続いた。
言うまでもなく、「魂の浄化」とやらを実行する必要があるからだ。
手にする本は、すべてスピリチュアルの本ばかり。
その中に、ひときわ心の、いや、魂の琴線に触れる書籍があった。
それは、著者の千葉さん(仮名)の霊体験で解明された、「惑星のメカニズム」についての記録で、加えて、女性が自分を抑制し、男性へ従属することの重要性が書き記されてある。
私は千葉さんに、他の文筆家とは一線を画すほどの文才を感じ、また、彼が紡ぐ文章には、彼自身の誠実さが滲み出ているように思えた――。
・・・そう。再び著者を盲信したのだ。
千明さん に関しても同様だが、当時、自分を信じることができなかった私は、「世の中には善人を装う人が存在する」などと疑ったことがなかった。
つまり、もし自分を信じていたのであれば、たとえわずかにしか感じなかった違和感でも、その、違和感の方を大切にしていたはずだ。
だからこそ、今度は千葉さんの書籍を引き寄せた。
これがいわゆる「同質結集」。
自分の感情に忠実に行動することができなかった私の低い波動が、千葉さんの書籍に強烈に共鳴したのだ――。
彼の書籍を3冊読み終えた私は、ますます彼のことを知りたいという欲望に駆られ、ネットで千葉さんの名前を検索した。
霊能者である彼は、どうやらスピリチュアル界隈では有名な人らしく、雑誌で芸能人と対談などもしていた。
加えて彼は、定期的に講習会を実施しており、それは、参加者全員で「わになって」彼のスピーチを拝聴する、というものだった。
そしてありがちだが、「この講習会に参加すると運が上がりますよ」と、遠回しに謳っていた・・・。
さて、ここ数年、 私は霊能者に2回ほど失望したが、まったく懲りない女がここにいた。
速攻で彼の講習会に申し込んだ――。
弁明すると、2015年当時、手に負えないほどの悩みを抱え、さらに自分を信じられなかった私は、「すがるなにか」を探していた。
答えは、すべて自分の内側にあるのに、つまり、自分の感情に従えばいいだけなのに、自分の人生を、完全に他力本願で生きようとしていたのだ。
その上、染矢先生に手の施しようがないほど執着していた私は、千葉さんの講習会に参加することで、ほんのわずかでも魂が浄化され、染矢先生との仲が進展することを執拗に期待していたのだった。
今、流布しているツインの概念を説明します。
ツインとのお付き合いや結婚は、魂が浄化された、霊格の高い人だけができるとされています。
それゆえ、ツインに執着している人は皆、魂を浄化し、成長しようとするのです。
つづく