染矢先生に執着し、ネットでツインソウルについて調べていたときのこと。
「ツインソウルの攻略法」と検索してヒットしたのは、ブログにそれを詳細に綴っているチャネラーさんだった。
名前を「キキさん(仮名)」という。
そのブログを頻繁に訪れるようになった私は、あるとき、彼女は偶然にも同じ地域に住んでいる方だと知り、驚きと同時に胸が高鳴った。
さらにキキさんは、「チャネリングセッション」も行っており、それは、ツインとの仲を進展させる手助けになるのだという。
是が非でも染矢先生と再会したかった私は、藁にもすがる思いでそのセッションを予約し、続けて、ネットでキキさん宅へのルートを確認した。
当日――。
キキさん宅のインターホンを鳴らして出てきたのは、とても背の高い、氣の強そうな面が垣間見えるバツ2の女性、つまりキキさんだった。
年齢は40代半ばといったところか・・・。
離婚歴については当然、彼女のセッション中に聞いた訳だが、彼女の家は、外観こそ周りの住宅と代わり映えしないものの、中は薄暗く、玄関先からすでに独特なお香の香りに包まれていた。
自己紹介もそこそこ、彼女に促されるまま、テーブルと椅子以外なにも置いていない2階の部屋に案内された私は、これまで嗅いだことのない香りに、少し落ち着かない氣分になった。
私たちは、テーブルを挟んで向かい合わせに座り、次いで彼女は、ニコリともしないまま、さっそくチャネリングセッションをはじめた。
セッションの相談内容は、予約時のメールフォームに記入済みだったため、彼女は私にそれ以上は尋ねず、即座にチャネリングに移行したのだ。
キキさんは目をつむり、スーッと息を吸い、しばらく沈黙した後、極めてゆっくりと話しはじめた・・・。
なんでも、天の声を降ろすのだという。
「あなたの…魂を…今すぐ…浄化すべきです…」
続きを聞き入っていた私は、チャネリングがそこであっけなく終了したことに、しばらく氣づくことができなかった・・・。
これで、料金は確か、1万円だったと記憶している。
ツインソウルの攻略法として、「魂の浄化の必要性」は、ネットや書籍で百も承知だ。
その上で、じゃあその「魂の浄化」とやらを、どう具体的に行えばいいのか、その方法を伝授してもらうべくここを訪れたのだ。
現実味が皆無のチャネリングに、私は不信感を覚えるも、話は次第に雑談へと進んた――。
つづく