千明さん の個人セッションの日。
彼女に、「今の私に対する守護霊からの重要なメッセージ」をチャネリングしてもらう日だ。
実は私が、セッションと同じくらい楽しみにしていたのは、あの引き込まれる文章を綴る人が、実際どんな美しい言葉を発し、どんな美しい所作で話をするのか、ということだった。
加えて、様々な悩みを抱えていた当時の私は、あの、心に響き渡る文章を綴る人だったら、私の悩みを少しでも解決してくれる「スピリチュアル的な糸口」を持っているのではないかと、「執拗に」期待していたのだ――。
飛行機を降りた後、車でさらに1時間掛けて到着する千明さんのセッションのスケジュールは、日が落ちた後の午後8時しか選択肢がなかった。
待ち合わせ場所のファーストフード店に30分前に着いた私は、車を駐車場に止めたまま、そこでしばらく時間を潰すことにした。
エンジンを切って数分経つと、2月の寒々とした外氣が車内に侵入してきて、結局、エンジンをかけ直して暖房を入れた。
1年ほど前に受けたチャネリングセッション では、「チャネラーの霊格は、決して高いわけではない」ということを学習した。
「しかし、千明さんはきっと人格者だ」
「彼女の文章がそう証明している」
そんなことを考えているうちに15分前になり、私はお店へと入店して、オーダーしたホットコーヒーを手にした後、テーブル席で緊張氣味に彼女を待った。
その約10分後、千明さんがお店に入ってきた。
ブログで顔出しをしている彼女のことを、私はすぐに認識できた。
千明さんはドリンクとポテトを手にした後、手を挙げて会釈した私に氣付き、そして私たちはいよいよ対面した――。
席に着いた彼女は・・・、どこか不機嫌な表情を見せていた。
飛行機の移動で疲れているのかな?とも思った。
それはそうと、なによりも先に、千明さんのブログのビッグファンであることを告げた私は、どれだけ彼女の文章に救われているかを、まくし立てるように彼女に伝えた。
その瞬間、彼女は慌てふためき、困り顔でこう言い放った。
「あれは、いい人ぶって書いてるだけだよ!!」
・・・・・・・・。
・・・千明さんについてこれ以上書くと、悪口になってしまうかもしれない。
だが、勇氣を出してもう少しだけ書くとしよう。
彼女は、その一言を発した直後から、今度は開き直ったかのようにふんぞり返り、あけすけに横柄な態度を取りはじめた。
しかし、話題が、女性の声で福田さんと縁を切った話 に及び、その声の正体を問うた途端、狼狽し、今度は、私に媚びを売るような態度に急変したのだった・・・。
よほどの「機密事項」を隠し持っていると察するが、ようは、私自身に霊能力が備わっていて、その「機密事項」を見透かされることを、彼女は危惧したのだと考えられる。
ちなみに私は、不可思議な経験はあっても、霊能力はいっさい備わっていない――。
つづく