さて。
前田くんとの縁が復活した。
彼とは、2012年に彼のHPを通じて知り合い、数々のシンクロニシティを経て縁が深まった。
この段階で私は、私自身が、真の概念を自発的に世に普及させようなど、微塵も思っていない。
それどころか、見事な虹を目撃したことに対して、真の概念を「前田くんが」理解し、「前田くんが」世に広めることへのGOサインだと、都合のいいように解釈している。
「さあ、前田くんにどうやってこの概念を伝えよう・・・」
手はじめに、私は彼に、返信をくれたことへのお礼として、いわゆる返事への返事を書いた。
すると、彼も即座に、それに対する返事をくれて、そうして私たちは、他愛もない内容だが、1日おきくらいにメール交換をするようになっていった・・・。
そんなことを続けて一ヶ月。
それまで、真の概念の伝え方について熟考していた私は、ある考えが頭に浮かんだ。
前田くんはかつて、自身のHPで、ツインレイとの不思議体験を綴っていた。
それは、非常に興味深いエピソードばかりで、染矢先生に執着していた当時の私は、とても楽しみに、そして熱心に読んだものだ。
加えて彼は、同じくHPで、かつて小説家になりたいと思っていたことも明かしていた。
それらを踏まえて、
「前田くんのツインレイ体験記を、小説風にHPに綴ってみたら?」
と、メールで提案したのだ。
つまり私は、その小説に「真の概念」を織り交ぜてもらおうというアイディアが閃いたのだった。
すると・・・、驚くことに、まさに今、そういう小説を書いているところだと、驚嘆した様子で彼から返信が届いたのだ――。
シンクロアゲイン。
やはり彼とは、極めて深い縁で結び付いている。
「『前田くんが』真の概念を理解し、『前田くんが』世に普及する役割を担っている」
そう信じて疑わない私は、今こそが、その概念を伝える絶好のタイミングだと悟り、彼に、「実は大切な話がある」と前置きした内容のメールを送り、重要な情報の開示を匂わせた。
その日の夜――。
夕食後私は、お皿を洗いながら、前田くんに真の概念をどのように伝えるか知恵を絞っていた。
するとお茶碗が、まるで自らダイブするように私の手から滑り落ち、パックリと割れた。
次の日――。
再び前田くんに、まずなにから伝えようか考えつつ、ヘアクリップで髪を止めようとした矢先・・・。
今度はまるで、その場面が早送りになるようにしてクリップが損壊した。
そうして、「前田くんのことを頭に巡らすと物が壊れる」という現象が、立て続けに起きるようになったのだ――。
それまでの経験で、これらの現象の意味を理解するのに、私はそう多くの時間を費やさなかった。
「NOサインだ――」
しかしそのときは、「なにに対してのNOサインか」が、まるで飲み込めず、私は困惑したまま、前田くんへのメールを書きはじめた――。
つづく